2023.03.17
北海道の中央、空知地方東部に位置する芦別市。市街地を空知川が貫流し、1000m級の山々を望む自然豊かな盆地に、まちが開けている。
アイヌ民族が暮らすこの地に明治26(1893)年、山形県人が最初に定住した。翌年には富山県、石川県の入植者が移住し、農業開拓を進める。大正4(1915)年の三菱鉱業の開鉱を皮切りに炭鉱の進出が相次ぎ、産炭地として人口が急増。最盛期の昭和34(1959)年には人口7万5千人を超えた。
芦別ではなぜか、衰退した産炭地の悲壮感がない。今や人口は1万2千人に減り商店街も寂しい。明るく人懐っこい市民の多くは「ここにはあまりいいトコないっしょ」と口にする。
とはいえ農産物はどれもおいしく、ユニークな製品を生む企業が多い。豊かな自然も、年々注目が高まっている。
突出したものは少ないがキラリと光る魅力があり、肩ひじ張らずに過ごせる。
スローなタイム感に満ちた「ほどよいまち」芦別の魅力を探る。