北欧風な街で食す、当別の四季を織り込む地中海料理

シェフの有澤幸計さんは、東京や札幌のホテルなどで数々の経験を積み、シェフを務めるまでに。2001（平成13）年、単身イタリアに渡り、中部イタリアからスペインにかけ修業、シェフに採用されるほど活躍した。2005（平成17）年帰国後、パティシエの父の故郷当別町に戻り、スウェーデンヒルズで父と「Ari（アリ）」をオープンした。「当初はここで商売なんて…と笑われたこともあったんですよ」と有澤さん。今年で10年目となる「Ari」に、今では遠方から目指して訪れる客も珍しくないのである。

有澤さんのこだわりは、できるだけ当別産の食材を使い、一人でも多くの人に気軽に地中海料理を味わってもらうことだ。手作りのパスタとパンは、全て当別産小麦100％。自家菜園や地元農家の新鮮野菜を使い、季節に合わせたメニューを提供している。

特に、当別産小麦「ゆめちから」は、有澤さんが農協からわざわざ確保してもらい、製粉会社に挽いてもらうほどで、長年の努力の末、築き上げた独自の仕入先ルートだ。「もっと当別産のおいしい食材を広めたい。そのお手伝いができれば…」とその思いは強い。

写真は地元の赤パプリカを水なしで練り込んだショートパスタ。毎日、ニョッキをはじめ5種類の日替わりパスタを用意する。ランチメニューの「パスタセット」1540円（税込）は、手打ちパスタをメインに、フォカッチャ（イタリアのパン）とミニ前菜、サラダかスープのほか、パティシエである父手作りのデザートが付く。

実り豊かな田園の町当別だからこそ四季折々の食材で作る料理は無限大だ。ディナーは予約のみ。食べたい料理や予算など気軽に相談をと有澤さん。アットホームな雰囲気の中で、極上の地中海料理を味わってほしい。