地元・石狩産尽くしの名物料理
「バッテラ」と言えば、本来は酢で締めたサバで作る押し鮨のこと。それをスモークサーモンで作ったら、果たしてどんな味になるのだろうか。
押し箱に薄切りのサーモンを2~3枚、バランスよく重ねて敷く。次に酢飯を詰め、上から力を込めて押す。箱から抜き出し、切り分けて出来上がりだ。
北海道産天然シロザケで作るスモークサーモンはくどさがなく、生ハムのようにしっとりと上品。そのスモーク香と程よい塩気、酢飯に混ぜ込んだ長イモのシャクシャクとした歯応え、梅シソの爽やかな香りと酸味…まさに味覚、嗅覚、触覚がフル稼働する美味しさ。米は石狩産の有機農法による「ふっくりんこ」、浜益の果樹園による梅シソと石狩産長イモと、地元産で揃えている。
実はこのバッテラ、最初は酢飯の中にもスモークサーモンをはさみ込んだり、梅シソをペースト状にしてみたりと、いろいろ試行錯誤を重ね、今の形に落ち着いたという。地元の食材を探して使うのは当たり前、肝心なのはその良さを最大限に引き出してより美味しく仕上げること。その努力が、バッテラのごとくぎゅっと詰め込まれているのだ。
その努力を見抜いたのが、かのミシュランガイドの調査員。このバッテラは、同店で出している鮭醤油ラーメンとともに、北海道ミシュラン2012特別版にも紹介された。新たな石狩名物として、ぜひ一度は食べてみたい一品、いや逸品だろう。