さっぽろ圏逸品発掘プロジェクト

札幌市 JAさっぽろ

サトホロ

「深紅の宝石」札幌にしかない幻のイチゴ

札幌でしか栽培されてない「深紅の宝石」と称されるイチゴがある。名前は「サトホロ」、アイヌ語で「札幌」を意味する。

札幌市農業支援センターが15年がかりで育成した品種で、果実の大きな「タイオーガ」と味と香りのよい「フェアファックス」を交配。適度な酸味が甘さを引き立てていて、果肉の芯まで赤い、鮮やかな色が特徴だ。しかし、早摘みすると味も色も追熟しないため、真っ赤な果実にならない、熟しすぎると果肉が柔らかくなるというデリケートな面を持ち、流通量は少ない。それゆえ、「幻のイチゴ」とも呼ばれていた。

サトホロ
札幌生まれのイチゴ「サトホロ」。札幌市清田区や南区の農家が生産しているが、収穫量が天候に左右されやすく、流通量が限られている。

再び脚光を浴びたきっかけは「加工」。果肉の濃い赤色と酸味が加工用に使えると見直されたのだ。色や酸味に注目した企業もそれぞれ商品化を進めた。札幌市白石区の池田食品と、豊平区のセイウニカ、そして雪印パーラーなどがある。

池田食品の「雪苺ー雪ボーロの苺つみー」は、タマゴボーロにホワイトチョコレートとフリーズドライのサトホロを重ねがけしている。タマゴボーロのさくさくした食感に、ホワイトチョコと甘酸っぱいサトホロの組み合わせが絶妙だ。

セイウニカはサトホロを使用したジャムやイタリアンジェラートを製造・販売。果実は完熟した順に摘み取って冷凍保存し、収穫終了後に全ての果実をブレンドしてソースを作り、常に同じ味のジェラートを提供できるようにしているという。

雪印パーラー本店で提供しているのが「さとほろいちごパフェ」。果肉をたっぷり使ったソースが見た目にも華やかな一品である。 

幻のイチゴの知られざる物語。スイーツを通じて、その一端を知るのも楽しい。

サトホロ
池田食品の「雪苺ー雪ボーロの苺つみー」。432円(税込)。タマゴボーロには北海道産のジャガイモでんぷんを使用している。
池田食品株式会社 工場直売所
住所 札幌市白石区中央1条3丁目32
TEL 0120-417-082
営業時間 9:00∼17:15
定休日 日曜、祝日
サトホロ
セイウニカの店「レ・ディ・ローマ・プラス」で扱っている「さとほろいちご&北海道ミルク」。「さとほろいちご」のジェラートは残念ながら完売しており、来シーズンまでお預け。
株式会社セイウニカ レ・ディ・ローマ・プラス
住所 札幌市南区常盤1条2丁目1-17
TEL 011-215-0033
営業時間 11:00∼19:00
定休日 月曜
サトホロ
雪印パーラー本店の「さとほろいちごパフェ」1,430円(税込)。サトホロを使ったソースの、鮮やかな色が映える。
雪印パーラー札幌本店
住所 札幌市中央区北3条西3丁目1
TEL 011-251-3181
営業時間 10:00∼21:00(1階売店は9:00∼21:00)
定休日 なし
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