徒然に 290
今年最後のゲストを明日お迎えします。最新作「ばるぼら」が公開中ですが20年前、
手塚眞監督が当時38歳のときの渾身作「白痴」。
「ばるぼら」への道はここからすでに始まっていたことに気付かされました。
そんな感銘とともに、今まさに混迷するこの世界にこそふさわしい作品が、...
35ミリフイルムから監督自らの手でデジタルリマスターとして新たに誕生、最も新しい作品、
坂口安吾 ✕ 手塚眞 ✕ 浅野忠信 & 甲田益也子
『白痴』がスクリーンで蘇ります。
「人間は生き、人間は堕ちる。
そのこと以外に、人間を救う便利な近道はない。」― 「堕落論」より
過去か未来かもわからない想像の中の日本を舞台に、混沌と孤独を超えて
二人の無垢なるいのちは疾走する。
時間と空間がずれ、巨大なセットがラストでまるでオペラのような壮大な爆破炎上シーンへと向かう。
炎の中を逃げ惑いながら男は言う。
「恐れるな。そして、僕から離れるな・・」
すべての日常が突き崩され極限状態で見出した真の愛―
とことん堕ちた果てにこそ、救いがあると説いた坂口安吾の世界があらたに
ビジュアリスト手塚眞の世界となって開花した感動作。
★「白痴」12月12日(土)~18日(金)16:10~上映
12日(土)は16:10上映の後、手塚眞監督ゲストトークがございます。
今だからこそ語られることもあるでしょう、
とても楽しみにしています。