徒然に 289
もう12月になってしまいました。本当は今年のGWに公開のはずだったムヒカさんがようやく到着です。皆さん覚えていてくれるかしらと心配だったのですが、初日から待っていてくださって、ご家族できてくださる方も多く、ホッとしました。
わたしたちにとってこれまで経験したことがないような世界で、
ひとつひとつ、私たちに大事なことってなんだろう、問いかけながら考えて・・そんな作業を丁寧にしてゆく中で、大きなヒントを与えてくれる強い味方が映画だったりします。
「私たちは本当に仲間なのですか?」...
「より便利で、より豊かで、わたしたちは幸せになったのでしょうか」
素朴なわかりやすい問いかけが心にすっと入ってきました。
2012年ブラジルのリオデジャネイロで開催された国連のスピーチで、先進国の大量消費社会を厳しく批判し、物静かに語る
ウルグアイ大統領ホセ・ムヒカさん。
大統領公邸には一度も住まず、質素な農場のある平屋の自宅に
30年以上暮らしています。
「大統領というのは多数派が選ぶものだから、多数の人と同じ生活をしなければいけないんだ。国民の生活レベルが少し上がれば自分もちょっと上げる。少数派ではいけないんだ」
とおっしゃった。
そんなムヒカさんは世界中の人たちから“世界でいちばん貧しい大統領”と親しみをもって呼ばれています。
この映画はスピーチに感動した一人の男性の熱い思いにこたえて、遂に日本にやってきたムヒカさんのドキュメンタリーです。
慎ましい生き方、含蓄のある言葉の数々が、きっと私たちの人生でいちばん大切なことに気づかせてくれるのでは? 素敵な贈りものです。
映画のあとで、ロビーでムヒカさんの本を買われる方が多く、
ムヒカさんの若い人たちへ投げかける言葉に、自分を振り返るきっかけになったりもします。
残念ながら今年10月に体力的なこともあり議員を辞職されましたが、妻であり、長年のパートナー、ルシアさんとともに、
今までと変わりない暮らしと生き方をされてゆくのでしょう。
彼に会ったらみなが「pepe」と呼びかけるように。
「素晴らしい人生とは、生きる理由をもっていること」
生きる理由をみつめてゆく旅が人生ということでもあるのでしょう。
★「ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ」只今上映中です。