徒然に 283
(つづきです)
是枝作品についても客席から質問が出て
「真実」のカトリーヌ・ドヌーヴのとてもわがままだけれどチャーミングで嘘のない人だというお話や、...
みんな振り回されたけれど、最後にはみんながファンになったエピソードなど、
「万引き家族」の希林さんのこと。
脚本のときからアドバイスやヒントをもらうことがあり、一緒に作っているという感覚が強い。
厳しい方なので、ちゃんと考えて投げかえさないといけない、
そんな緊張感で、いつも真剣勝負だった。
衣装合わせの時に「私、入れ歯はずすとこんな顔になるの」といって「この映画のわたしは、汚らしいほうがいい。年寄りが髪長くしてしばらく洗ってないような」
本当に女優として真剣勝負。
是枝作品であるからこそ、ここまで丸裸になれるのかもしれない。限りない信頼の賜物のように思えます。
「TVは一度放映されるとそれで消えていくからいいけれど、
映画は残るのでこわい」とおっしゃっていた希林さんが残していったものは、大きいです。
「この映画はラストの夏の海のシーンを、撮影初日に撮っている。ちょっとやつれた感じだったので、体がつらいのかなと思っていたのだけれど、その後からの冬のシーンは元気!時間が逆転するので、そこを考えての演技だった・・
役者です、本当に。」
「こんなすごい人がいなくなって、どうしようか、と思っている」と。
このあと声のアンサンブルについて興味深いお話が。
「この10年、あて書きが多い。役者の声のイメージでで脚本を書いているので、
声のアンサンブルはとても大事だと思っている。
「万引き家族」でいえば、出どころの違う人たちの家族なので
アンサンブルじゃない寄せ集め感を。
「海街」では4人の声がわからないといけないので、気持ちよく違わないといけない。」
脚本作りの光景が浮かんできて、まるで音楽を奏でるような創造の世界です。
この他にも様々なお話がされましたが、
さぁこれからは新作へ集中。
台湾から韓国へ、いよいよ現場です。そんな意気込みが伝わってきました。
★写真は「おっ、まだ1年たってない」と昨年12月「真実」でいらっしゃったときのサインの横に 2020,10,29 「あぁ!新世界」のサインを。
今度来る時は 2年後? そんなお話をしていました。
★さて今日はこれから「アイヌモシリ」の福永監督と出演者の皆さんが到着です。先行特別上映の日です。
「生の現場」はいいですね。