徒然に 277
「今日は忙しい、『世宗大王』見てその後『はりぼて』見て、『マルモイ』見て・・『ピエール・カルダン』いけるかしら・・」と気合満々。
先程は、見たばかりのお客様が『世宗大王』が思いのほか良かったとおっしゃって
『マルモイ』はいつまでやってるの? と。すると、そういう方が何人もいらっしゃって。
嬉しいお問合わせです。
『マルモイ ことばあつめ』は「タクシー運転手 約束は海を越えて」の脚本家オム・ユナ監督デビュー作です。もちろん脚本も兼ねています。
1940年代の朝鮮半島、日本統治下で自国の言葉が消えてゆく危機にひんしている時に、自分たちの話す母国の言葉を守ろうと、ごく普通の人々が辞書づくりに奮闘して、歴史を作り上げていった感動の物語です。
その母国の言葉を生み出したのが「世宗大王」だったのです。
『世宗大王 星を追う者たち』は朝鮮王朝が明国の影響下にあった時代のお話です。
王は奴婢の身分だった男、ヨンシルに優れた才能があることを見抜き、武官に任命します。
ヨンシルの豊富な科学知識と技術で最初につくった水時計は庶民の生活に大いに役立ちました。
独立した国として庶民の生活を支えたい、世宗大王は自立した国を目指し、
朝鮮独自の文字、誰もがつかえるハングルを作ろうとしていました。
天と地ほどの身分の壁を乗り越えて二人が見上げる星空。
そこには何の境界線もありませんでした。
「同じ天を仰ぎ、同じ夢を見る」
時代を動かした二人の男の物語です。
監督は「8月のクリスマス」「四月の雪」など、ひとの心模様を繊細に描くホ・ジノ。
キャストは演技派ハン・ソッキュとチェ・ミンシク、ダブル主演,
見事です。
「マルモイ」のオム・ユナ監督はこうもおっしゃっています。
「現実という壁にぶつかって夢を見ることさえ贅沢になった
今の世の中に、
ともに夢を叶えていく人々のぬくもりが伝わり、
厳しい世の中をかろうじて一人で耐えている人たちへの
小さな慰めになれば嬉しい。見回してみれば
ともに歩んでくれる人が隣りにいるんだと」
「はちどり」に続き、韓国映画が充実しています。
映画を観た後に励まされた気持ちになれる、これ以上嬉しいことはありません。