徒然に 266
「許されざる者」に続き、北海道ロケの代表的名作の上映は
黒澤明監督の「白痴」と木下恵介監督の「喜びも悲しみも幾歳月」がいよいよ明日から。
といいますか、身構えるようですが、
この作品は35ミリフイルムの作品で、先日フイルムが山のように届き、...
覚悟はしていたとはいえ、スタッフは背筋がざわー~っと寒くなったことでしょう。
「白痴」で小巻のリールで16巻。
これを最初の1巻からフイルム状態を調べながら大きなリールにつないでゆきます。
両端の1コマに4この小さな穴があってパーフォレーションというのですが
そこの痛みが作品の命取りになるで、1コマ1コマ傷みのあるところはスプライサーテープで補修してゆきます。
それが終わったらいよいよ35ミリ映写機にかけてピント,フレーム、音の状態を確認してゆきます。
1作品のフイルム自体大変貴重なものなので、上映にはかなりな緊張状態が必要となります。
「白痴」166分、 「喜びも悲しみも幾歳月」162分、
「白痴」の準備ができたので、今度は「喜びも~」こちらは18巻!
スタッフは大奮闘です。
何よりもどうか無事に上映ができますように。祈るばかりです。
★黒澤明監督の「白痴」 8月29日(土)~31日(月)15:50~
三船敏郎さん、原節子さん、今回上映はできませんでしたが「挽歌」の森雅之さんと久我美子さんも出演されていて、モノクロームの映像が北の大地の奥深さを見事に捉えていて、シャープで美しい。
★木下恵介監督「喜びも悲しみも幾歳月」 9月1日(火)~3日(木)15:50~
高峰秀子さん、佐田啓二さん、 モノクロ―ムからカラーになり始めた時期ですので
きっと当時ご覧になった方たちは色があることに大興奮したのではないでしょうか。
白一色だった石狩灯台は撮影側の要望で赤白のツートンカラーになったことでも有名になりました。
日本を代表する両監督の2作品が当時の35ミリフイルムで
特別上映、どうぞスクリーンでお楽しみください。