徒然に 262
「おもしろかったぁ」と笑顔で言っていただいたり、「今年のマイベストかも」と興奮気味?見終わったお客さまの表情がステキです「パブリック 図書館の奇跡」。
昨年公開されたフレデリック・ワイズマン監督の「ニューヨーク公共図書館 エスス・リブリス」でも図書館の役割の幅広さ、市民との距離の短さに、驚きと感動がありましたが、さて今回はアメリカ・オハイオ州のシンシナティ公共図書館が舞台です。
日々、様々な背景を持つ人たちが集ってくる場では、ちいさなトラブルは当たり前、図書館の人たちは対応に追われています。そんな真冬に記録的大寒波がやってきて...
緊急シェルターは満杯になってしまい、行き場を失ったホームレスたちが1日の殆どを過ごす図書館に避難、顔なじみの図書館員のスチャートに
「ひと晩だけここに泊めて、外に出たら凍死してしまう」とお願いしたことから、
事態は二転三転。
市長選に出馬している検察官がたまたまその場に居合わせたことから悪い方向に物事を進めていこうとしたり、マスコミの情報があらぬ方向へと煽っていったり、
事の発端はシンプルなことで「こまっているから助けてほしい」ということなのに・・
当のホームレスたちは「俺たちどうなっちゃうの・・?」と不安になったりしながらも
巻き込まれたスチャートとともに解決策を見つけてゆく。
笑いをまぶしながらも社会のいろいろな問題が転がっていて、
公共の役割ってなんだろうね、と問かけてくる。
最後はジョン・スタインベックの「怒りの葡萄」の一節を読み上げるスチャート。
「図書館は民主主義の最後の砦だ。戦場にさせてたまるか!」
彼もまた、本に人生を救われた一人だったのです。
そして奇跡の大逆転が・・・!
耳を傾けると小さな声がたくさん聞こえてくる、
そんな声に応えるように温かい眼差しで描かれたエミリオ・エステヴェス監督の感動作です。
久しぶりに休日は図書館で過ごそうか、
「怒りの葡萄」も手にとってみたくなる、
ページを繰るときのワクワク感、すごく嬉しくなりますね。
図書館は小さな夢を手助けしてくれる場でもあるのです。