徒然に 252
「今回、充実しているね」とお客様。そうなんです、私も買ったのですが、何度も読み返したりしています。
ビッグイシューの最新号は、「コロナ禍で、世界の路上は」。
「STAY HOME」「私は家にいます」世界中が対策をおこなったけれど、実はこの言葉の中には見ようとしていない“家を持たない人たち”への思いが欠けている。
最も困難を抱えている人たちはどれほど大きな影響を受けているのだろうか、...
全10カ国から届いたレポートの特集です。世界中から様々な声が聞こえてきます。
イギリスでは1991年創刊以来、今年3月23日はじめて路上販売を中止する決断をしました。販売者の多くは健康問題を抱えているため、路上販売を続けるのは危険な状況だったからです。ビッグイシュースッタフは販売者の相談に乗りながらできる限りのサポートをするために奔走しています。
路上販売できないと収入が絶たれるのは事実ですが、それ以上に販売者たちは疎外感や孤立感を感じてしまうことが目下の悩み。
「早く路上販売に戻りたい。販売することや人と触れ合うことが、こんなにも心の支えになっているとは思いませんでした。自分は大丈夫という安心感があった」と、そして
「この5年間、お客さんのおかげで身体面でも精神面でも自分を保つことができた。皆さんの優しさや寛大さが、いつも謙虚な気持ちにさせてくれます。雑誌を販売していると、人を信じる気持ちを思い出すことができるんです」と。
イタリアでは、ミラノなどの主要都市では、主に教会の前で販売されていました。しかし3月から隔離政策のためにミサが禁止され、販売者たちは収入だけでなく、生きる活力の源となる職を失ってしまったのです。
「雑誌の販売こそが、私を助けてくれていたんです。みんな私のことを好意的にみてくれましたし、ミサのあとに私と話をするために足を止めてくれました。今、お金だけでなく、そんな人間関係の喪失こそが惜しまれます」
ロックダウンの間、安全に在宅勤務できた人の陰で、収入が激減、もしくはゼロの状態で家にこもるしかなかった人、そしてホームレスのように自分以外に頼れる存在がいない人たちもいた。
ミラノでは夜間のシェルターのベッドを増やし、病気をかかえるホームレス向けに休養施設も設置した。一方、職員の寛容な心遣いで1日を過ごせた図書館などは休館になってしまい、市のシャワー施設も安全のためと早くから閉鎖されてしまった。
スタッフたちはビッグイシューのデジタル版を作ったり寄付キャンペーンを行ったり、販売者に配分できるようにと動き回っている。
そんななか、ローマ教皇フランシスコから書簡が送られてきたそうです。
「私は、この事業のおかげで生活できている世界中の販売者、記者やボランティアの皆さんのそばにいます。(中略)今、最も困難を抱えた人々に目を向けることは、
私たちに差し迫った状況を真に理解する助けとなるはずです」
心配して応援してくれる人たちがいる、支えあう人と人がいる限り、頑張れる
そんな強い気持ちになりますね。
ご紹介できませんでしたが、その他にもブラジルやアメリカ、南アフリカ、台湾、スウェーデン、ドイツ韓国、日本からのレポートが続きます。
★ビッグイシューはキノロビーで販売しています。ぜひ読んでみてください。
(全額 ビッグイシューへお渡ししています)
※写真は見落とされていた驚くべき真実がようやく明るみにでた、只今上映中の「コリーニ事件」の写真とともに。