徒然に 251
「やっと来れた」「やっと見れた」と嬉しそうにお話くださったご夫婦。
「やっぱりいいね、あの情けない感じが・・」と笑顔になる。
イーサン・ホークはやっぱりイーサン・ホークです。
いい感じで歳を重ねてゆく、でもやっぱりおとなになれない感じ、...
そこがいいのですね。
同じように歳を重ねて大人の階段をのぼってきても
中間地点でふと、これでいいのかな・・・?とたちどまるのか、
若さの原点に戻るには気力と体力が・・と、及び腰になってしまうこともあったり、
人生の分岐点は意識するといろいろなところであるようです。
「リアリティ・バイツ」にはじまり、ビフォアシリーズへ。
「ビフォア・サンライズ恋人までの距離(ディスタンス)」「ビフォア・サンセット」「ビフォア・ミッドナイト」、
若さの特権から9年ごとに人生を歩んでゆく姿は、
リチャード・リンクレイターとの共犯関係でもあるような。
そうして12年の歳月をかけた膨大な試み、「6才のボクが、大人になるまで」が完成。
どうしてもこの時間の経過が必要だった・・そのことに気付かされて、心が震えました。
そんなイーサン・ホークは、
是枝監督の熱いオファーに応えた「真実」もやはり彼の真骨頂でしたね。
そして今回、おとなになりきれない大人たちが、ようやく自分なりの落とし前をつけてゆく「15年後のラブソング」。
とりかえせない彼の20年と、彼女の15年が出会ったとき、未来の扉が開いた―。
勇気を出して。
取り返せない時間の自分をまっすぐに認めること、
自ら奮い立たせて始める一歩に、共感したくなります、
彼らが選んだ大人のハッピーエンド、
そんなささやかな物語です。
ロビー展示も完成しました。
夏の涼やかなナチュラルな感じを意識してMさん姉妹は作ってくれました。
おトイレのお花、今回も素敵です。