徒然に 245
「お元気ですか?」このごろお電話ではそんなごあいさつからお話が始まります。
「元気ですよ」とかえしてくださるだけでとても嬉しくなります。
先日お客さまから「僕の解釈では・・キノが始まった時に『ミシマ』はあると思ったんだけれど」と心配そうな声。
「ご迷惑をおかけして申し訳ありません、大丈夫です。
『三島由紀夫VS東大全共闘』は再開が決まったらすぐに上映致します、安心してください。
でも休館の状態が長引いていて再開日程が決まりましたら
ご案内いたしますが、短期間の上映になるかと思いますので
どうかお早めに見てください」とお話するとホッとされたのか
「あるものがないって寂しいもんだね」とおっしゃって。
映画館にはお客様がいて、ひとりひとりのもとへ届いて
はじめて映画として完成するのですね、
改めて思いました。
そのときには作り手の作品としての映画から、
独り立ちした映画は観客ひとりひとりが紡ぎ出した映画へと変貌してゆくのでは・・・
1本の映画も100人の人が見たとしたら100通りの映画に変貌していって、
自分だけのたったひとつの映画になる
そして記憶として紡がれてゆく・・
と、そんな贅沢なとめどないことを考えてしまいました。
暗闇の中、光を浴びたスクリーンの中に身をおいて過ごす世界は特別な時間。
様々な人たちが同じ場所でともに過ごす時間、
それがどれほど尊いものなのか、いま実感しています。
★ロビー展示も出来上がってきましたよ。
「最高の花婿アンコール」「在りし日の歌」「ジョン・F・ドノヴァン」
出番を待っている映画たち、もうまもなくでご案内できるかと思います。