徒然に 234
「こんなに“豚”が可愛いなんて、思わなかった!」嬉しそうにお友だちとお話されている。
そうなんです、大きなお母さん豚のエマは出産の時、みんなが仰天するほど。
生まれてきたのは数えるのが恐ろしくなるくらい(?)たくさんのコブタたち。
お母さんのお乳を飲んだ後のなんとも満足げな・・そしてだんだんまぶたが重くなってきて・・お昼寝。幸せそうなひとときです。...
そこに仲間外れにされている鶏のグリーンがやってきて、
遠慮がちにエマとの距離を縮めて行く姿が微笑ましくて
グリーンの気持ちが手にとるようにわかるのです。
やがてエマの小屋の片隅にグリーンは居場所を見つけて、
信頼しあったふたりのような、まさしく「生涯の友」?!
豚と鶏が友だちになれるなんて!驚きでしたが、ふたりを見ていると自然なことに思えてきます。
このように、この映画の中にはちいさな、たくさんの、多様なことがいっぱいつながっていって
壮大な自然という、大きなお母さんにたどり着いたような気持ちになります。
動物も植物もいきものたちにはみんなそれぞれに感情があって、本能があって、
生命のリズムがあることに気づいて。
人間が傲慢になってしまうとそのリズムは壊れてしまいます。
ごく普通の若いご夫婦ジョンとモリーが、自然とともに育ててゆく自分たちの農場を作りたい、
そんな夢をある1匹の保護犬トッドのおかげで、歩きはじめることができた8年間の記録です。
1シーン1シーンが生命の輝きと神秘に満ちていて、
言葉で言いあらわせないくらい美しい・・自然は時に過酷に吹き飛ばして壊してしまうけれど
そこにも一歩踏み出せる何かが込められている。
アインシュタインは妻を亡くした友人への手紙で
「自然を深く観察しなさい。そうすれば、すべてのものを、きっと理解できるでしょう」と書きました。
人間という存在の背後に広がる謎、わたしたちが自然の複雑さから感じる無限の可能性は、
わたしたちの生き方だけでなく、あらゆる障害の乗り越え方を教えてくれる例えになっています。 と、ジョン。
数年かけててんとう虫がかえってきた。
てんとう虫の羽ばたきがスクリーンいっぱいに満たしてくれたその世界は
夢を見ているような美しさでした。
★「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」
たくさんの夢の欠片を見つけてください。