徒然に 233
「時間かけて札幌まで来たかいがありました。ほんとに見てよかった」とおっしゃって、パンフレットを買っていただいたお客さま。
「充電した」相槌を打つように「次は「ミシマ」だ」とお友達とお話されていたり。
フランスの郊外のこの熱気を、こんなふうに肌感覚で感じたことがあるだろうか。...
圧倒的熱量に震えが来るほど。
昨年のカンヌ国際映画祭で最後まで「パラサイト」と最高賞を競い合った作品、
超問題作「レ・ミゼラブル」の上映が始まりました。
パリ郊外の低所得層団地をパトロール中の警官のもにロマの一団が血相を変えてやってきた。
「子どもがさらわれた」―
よくよく話を聞いてみるとサーカスのライオンの子どもだという。
そんな些細な事件をきっかけに、やがて取り返しのつかない事態へと陥っていく。
そしてある少年が問題になる光景をドローンを飛ばしてカメラに収めていたことから
さらに拍車がかかる。
人種の坩堝とかした団地を舞台に 大きな大人たちと、子供たち、地元に暮らす警官たちが繰り広げるコントロール不能な1日を、のどかな地方都市からやってきた新任の警官の目をとおして描かれる。
長い1日が終わったと思いきや、ラスト30分の衝撃!!
ヴィクトル・ユゴーの「レ・ミゼラブル」の舞台となった町。この映画にはジャン・ヴァルジャンも出てこないし、
小説の映画化でもない。ミュージカルでもない。
しかし
「友よ よく覚えておけ
悪い草も 悪い人間もない
育てる者が 悪いだけだ」
ユゴーの言葉でこの映画は終わる。
監督・脚本はラジ・リ、これが長編デビュー作。
彼はこの町で生まれ育ち、ここに暮らし、映画を撮リ続けている。
最後まで見たときに、ようやく、
映画の冒頭に描かれたワールドカップで優勝した時の、
誰もが一体となった歓喜の瞬間が蘇る。
そこにつながる深い想いを感じたい。
★こんなときだからこそ、圧倒的熱量を体感!
「レ・ミゼラブル」に続き
3月20日(金)~「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」が待機中。