徒然に 231
先日の寒い朝、「は―るよ 来い は―やく来い 首を長くして待ってるよ~」
鼻歌交じりにお客さま。「もうすぐですよ」と、ロビーは和やかな雰囲気に。
やっぱりこんな感じが良いなと思います。
映画を観て元気になろう。心のインナーマッスルが鍛えられそうです。...
83歳のおばあちゃんのお話。
「イーディ83歳 はじめての山登り」はまさしく撮影当時83歳!だった
シーラ・ハンコックさんが主人公のイーディを演じています。
舞台などでも活躍されている女優さんですが、山登りも初めて。
撮影に入るまで実際の山の麓でトレーニングに励んだそうです。
その成果はどうぞ映画でご覧あれ。
さてお話は
イーディはロンドンで30年間、夫の介護してきました。
厳しい夫だったようで温かい夫婦の関係ではなかったようです。
その夫も亡くなり、娘は老人ホームに入るように言うのですが、
イーディは踏み切れない。
私の人生ってなんだったのだろう。
夫に尽くし、子育てに励み、気づいたら私は自分のためになにかしたことがあるだろうか、
ずっと我慢して暮らして来た・・
そんなとき屋根裏部屋でみつけた、ひっそりほこりをかぶっていたイーディの少女時代。
父からの手紙もあった。
「今度はこのへんな山に一緒に登ろう ― 父より」と書いてあった。
イーディが家からほんのひととき解放されるのは行きつけの食堂。
コーヒーを飲みながら
「追加注文はもう遅い?」とたづねると親父さんが
「おそすぎるなんてことはないよ」と笑ってこたえた。
その一言でイーディは決心をする。
ひとりでロンドンからスコットランド行きの夜行列車に乗り、
お父さんと約束したへんてこな山に登ろうと。
83歳 無謀な挑戦、今まで何でも自分でやってきたイーディが
初めて人に助けてもらうことを学んでゆく・・
すると今まで頑固で気位の高かった彼女が
まるで少女のような83歳へと変わってゆく。
ラストで見せるなんとも
しみじみとした人生を感じさせる表情に魅せられました。
本当に山に登って、フラフラになって、
初めてイーディが成し遂げた瞬間の表情
満たされなかった人生の最後の最も特別な瞬間であり、
人生に祝福された瞬間なのでしょう。
83歳、イーディのような顔になれるだろうか。
毎日が一歩。