徒然に 226
「雪は空から届いた手紙です。どれひとつとして同じものはないのです・・」
そんな声が朝のテレビから聞こえてきて、慌ただしい朝の時間が和んで嬉しくなりました。
ロマンチックですね。...
さて今日の空模様はと言うと朝は穏やかでしたが、今は吹きすさぶように元気な風と一緒に雪たちが私たちの元へやってきて、これは大変。
こんな日はロシアはもっともっと寒いのでしょうね。
ロシアの小さな村から届いたエレーナおばあさんのお話です。
村に一つしない学校で教師をしていたエレーナはいまはのんびり年金ぐらし。
ある日病院で突然余命宣告を受けてしまって、その帰り道、教え子の釣った大きな鯉をなぜか譲り受けて我が家へ。
鯉はとりあえず冷凍庫へ、するとエレーナは急に倒れてしまい
都会で暮らす息子は5年ぶりにあわてて戻ってきたのですが、
大丈夫そうとわかるとすぐにとんぼ返り。
久しぶりに会ったのに。
自分のことは自分でしなきゃ。息子に迷惑はかけられない。
意を決したエレーナおばあさん、そうと決まったらやることはいっぱい。
台車を持ってでかけた先は・・・?
夫の隣のお墓を確保しよう、そのためには死亡診断書が必要だし、
棺桶もいるし、ここで台車の意味がわかります(笑)、そしてささやかなお料理も・・・
フィナーレは思い出の曲をえらんで、おめかしして
「恋のバカンス」(ロシアバージョン)を踊り、
でも私、まだ大丈夫そう・・
冷凍された鯉は、解凍された途端なんと息を吹き返し、
「よく頑張ったねぇ」とエレーナに褒められ
おおきな桶に移されて、お料理にならずにすんだ。
その後も鯉の快進撃は続くですが
そんなエレーナおばあさんと鯉が迎えるエンディングは・・・?
悲しいお話ではありません、心があたたまり、やさしい気持ちになりました。
隣人のちょっと風変りなところもすごくよくて、
やっぱり友達っていいなぁ、と思ったり、
今日は泊まってゆくという息子と一緒に嬉しそうにご飯を食べながら
「おまえは幸せかい?」と尋ねる母の表情に、
どこもおなじだなぁ、と思ったり。
モスクワ国際映画祭観客賞受賞、
原題はThawed Carp = 解凍した魚。
エレーナと鯉のとってもチャーミングなちいさな贈りもの
「私のちいさなお葬式」は2月28日までの上映です。